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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
キョンシルは何か言おうとして、言葉を飲み込んだ。家を出てしばらく暮らした―、そのことだけからして、トスの人生はやはり平坦なものではなかったようだ。けして多くを語らなかった彼の短い話は、いや、かえって言葉少なだっただけに、彼の歩いてきた道程(みちのり)に幾つもの他人には明かせぬ過去があると暗示させた。
「ねえ、他には何か特別なことはないの? そうそう、確かトウモロコシの栽培が盛んだって教えてくれたわよね」
「ねえ、他には何か特別なことはないの? そうそう、確かトウモロコシの栽培が盛んだって教えてくれたわよね」