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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
 あのときの彼は完全に我というか正気を失っていた。幸運にも理性を取り戻せたから良かったようなものの、あのまま勢いでキョンシルを抱いていたらと想像しただけで、暗澹とした想いになる。
 艶やかな長い黒髪には銀の透かし彫りの簪が挿してある。トス自身が手ずから挿したものだ。あの簪はキョンシルにも語ったように、ミヨンに贈るものだった。
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