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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第11章 海の町から
キョンシルは元々、彼の恋人の娘であり、彼はその女と祝言を挙げる目前であった。そんな時、恋人が心臓発作を起こして亡くなり、幸福は見果てぬ夢のままに潰えた。
そして今、トスはその恋人の忘れ形見であるキョンシルを〝義理の娘〟と呼び、二人は建前は義理の父子ということになっている。
キョンシルは都漢(ハ)陽(ニヤン)でも屈指の名門両班(ヤンバン)崔(チェ)氏の息女であり、望めば、いまだ健在の祖父崔一載(イルチェ)の許で何不自由なく過ごせたのに、トスと二人で生きてゆくことを躊躇いもせず選んだ。
そして今、トスはその恋人の忘れ形見であるキョンシルを〝義理の娘〟と呼び、二人は建前は義理の父子ということになっている。
キョンシルは都漢(ハ)陽(ニヤン)でも屈指の名門両班(ヤンバン)崔(チェ)氏の息女であり、望めば、いまだ健在の祖父崔一載(イルチェ)の許で何不自由なく過ごせたのに、トスと二人で生きてゆくことを躊躇いもせず選んだ。