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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第11章 海の町から
別に恐れているわけではない。ならば、この胸苦しいような気持ちは何―?
キョンシルは緩くかぶりを振り、砂を踏みしめて歩き出す。今もトスが室に戻ってきたため、針仕事はひとまず止めて外に出てきたのだ。トスは疲れているのか、直に床に寝転び、片腕を枕にして眠り始めた。眠っているのなら、なおのこと意識する必要はないはずだが、トスが寝ていれば寝ていたで、自分が手を休めて寝顔に見入ってしまうことは判りきっていた。