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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第12章 李家の御曹司
 陽の光を糸にして紡いだかのような茶褐色の髪は陽光に当たり、金茶色にも見え、凄艶とも形容できる美貌でありながら、精悍さを失っていない。要するに、同じ美男でもトスのようにいかにも朝鮮人らしい顔立ちの男とは対極にある類の美しさである。
 ただし、美男というものは往々にして身なりには構わないものか、この男も良い歳をしていながら、長い髪を結いもせず背中に垂らして無造作に括っているだけだ。着ているものも質素なパジで、身なりだけ見れば何ということはないその日暮らしの商人だろう。
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