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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第14章 真実
ああ、と、トスはキョンシルの絶望を更に決定的にする言葉を口にした。
「俺は良い縁談(はなし)だと思うがな。嫁ぎ先はこの町で随一と呼び声の高い絹店、都にも支店を持つほどの豪商イ・ソンジュンの息子だぞ? しかも息子だけでなく、父親までもが認めているんだ。滅多に降って湧いてくるような嫁入り話じゃない」
「だから?」
涙の塊が込み上げてくるのをキョンシルは堪えた。トスが苦いも薬でも飲んだときのように顔をしかめた。