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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第14章 真実
 今夜のトスはどう考えても、常の彼とは違う。
 トスは寺の山門を出て、どこかに向かってゆく。明らかにゆく先は判っているといった感じだ。キョンシルはトスの後ろ姿を見失わない程度の距離を置いて、極力気配を殺して後をつけていった。
 こんな夜更けに一体、どこに行こうというのだろう。まだ、現実には何も起こってはいないのに、しきりに胸騒ぎがする。それは、喩えるなら嵐の前のほんの束の間の静けさにも似ていた。
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