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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第14章 真実
―こんな人気のない淋しい場所にお墓があるなんて。
キョンシルは愕きを隠せない。トスは少し離れた樹陰からキョンシルが見ているのも知らず、墓の前にひざまずいた。泥がつくのも頓着せず、頭を地面にこすりつけている。
それにしても、あの小さな墓は誰のものなのか? 真夜中に急に思い立って詣でるほどだから、トスにとってはよほど大切な人に相違ない。この墓の主もまた、他人には語らぬトスの過去の一部なのだろう。