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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第17章 出逢いはある日、突然に
 〝おいで〟と声をかけ、若者は子どもを手招きする。子どもが恐る恐る近寄ってくると、若者は袖から小さな巾着を取り出した。薄桃色の巾着は財布らしく、膨らんでいる。やはり、かなりの金持ちの息子なのだろう。
「そなたが盗みまでして欲しかったのは、これなんだろう? だが、もう二度と他人の物を盗もうなどと考えてはいけない」
 若者は巾着を子どもに握らせた。
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