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白い飛沫(しぶき)
第13章 帰国
「・・・・くちびる」

えっ?

南くんは、いきなり理恵のくちびるを奪った。

そして理恵の胸に顔をうずめ、号泣しはじめた。




かわいい…なんて、かわいい子なの。

理恵は南くんの頭を抱いて、
しっかりと胸の膨らみに押し付けてあげた。

「先生!!」

南くんが男に変貌した。

理恵をソファに押し倒し、
馬乗りになり、胸を揉みまくった。

ふいに順也との事が思い出された。

あの日…私の部屋で唇を重ねたあの日…


母からの電話がかかってこなければ、
私も順也に体を許していたかもしれない。

アメリカに旅立つ前に
私は順也への愛を確かめたかった。

アメリカで出会ったユウもそうだった。
日本へ帰国する前に私への愛を確かめるために、
体を求めたユウ…


南くん、あなたもそうなのね。

アメリカへゆく前に私への愛を確かめたいのね。


胸を揉む南くんの手に自分の手を重ねてあげた。
叱られるとでも思ったのか、
南くんの手の動きが止まる。

「いいわ。南くん。私を抱かせてあげる」

「えっ?」

「でも、ここではダメ。
ここは私の神聖な職場。
私のマンションへ行きましょう」

いいんですか?そう言って南くんは泣き始めた。


マイカーに南くんを乗せ、
自宅マンションへと向かった。

途中、ドラッグショップに立ち寄り、
コンドームを購入した。

若い彼のことだから、
中で出しちゃうかもしれない。

今日は危ない日…
それだけは避けたかったからだ。

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