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あなたとの『愛』の続きを
第7章 無言の挑戦状
それ以上彼女は何も言わず
ただ、私を真っ直ぐ見つめている。
「…嘘…。そんなの…。」
「……確かめたら?」
そう言うと彼女は踵を返し
車へと乗り込んだ。
これは彼女からの挑戦状だ。
体が震える。全身が震えて止まらなかった。
…別れよう…?
蓮の口から聞いてはいない別れの言葉は
私には理解できなかった。
…もう…会うことがない?
…違う…今日約束をした。
待ってろって蓮さんは私に言ったわ…
震える手で携帯を取り出し
彼の名前を呼び出した。
そして、電話をかけると…
無機質なアナウンスが私の耳へと流れた。
『おかけになった電話番号は…
現在使われておりません…。』
何度も何度も…
私の耳には冷たい声が響いていた。
「…嘘でしょ…ねぇ…」
力なく垂れた手からは携帯が
音を鳴らして地面へと叩きつけられた。