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あなたとの『愛』の続きを
第3章 あなたがヒーロー?
次の日は幸いにも、日曜日。
重い体を持ち上げる。
携帯を見ると何件か着信とメールが入っていた。
メールは舞で夕食のお誘いだった。
不在着信は…見知らぬ番号。
知らない番号は極力、無視を決めている私は
気にもせず、着信履歴から消した。
舞に了解とメールを返し
約束の時間と場所を決める。
時計を見ればもう10時が回っていた。
…特にすることもない私は近くの
カフェに一人で足を運ぶ。
外のオープンテラスで飲んでいると、
向こう側から誰かがこちらへと走ってきた。
…あの黒髪。
嫌な予感がした。
咄嗟に椅子から立ち上がり
そのテラスから出ようとすると
その人が私の前に立ちはだかる。
…会いたくなかった。
下を俯いて顔を上げない私に
その相手は声をかける。
「葵ちゃん…昨日は…」
何かを言い出す前にその言葉を遮った。
「気にしてませんから!それじゃ…」
その場を足早に逃げる。
後ろから足音が付いてきていた。
…とても、怖かった。