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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
彼は…私は何一つ…教えていないのに
私の勤める病院の前で、車を停めた。
「少し早いが…悪い。
俺も仕事がある。」
「ここ…何で…」
「…時期に…解る。」
それ以上は聞けない雰囲気で…
私は疑問に思いながらも車から降り一礼する。
彼が片手を上げ、車を発進させた。
その車が見えなくなるまで見守ると
私は溜息を一つついてから、裏口から病院へと入る。
30分ほど早い出勤はまだ、誰も来ていなかった。
ロッカールームで制服に着替えながら
彼が…一体何者なのだろうと考えていた。
『時期に…解る。』
…時期にって…
名前さえも教えてくれなかった…
ただ…キスをして…
ただ………
昨日、指で撫でられた箇所が、急に熱くなる。
…あんな経験…きっと…二度とない。
そう思いながら…制服のシャツのボタンをキッチリと上まで閉じた。