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あなたとの『愛』の続きを
第5章 ヒーローの正体
「竜さんとは上手くいってる?」
少しの休憩時間、舞が話しかけてきた。
「…連絡は取ってるよ。」
「会ってないの?」
「うん。」
あれから一ヶ月ほど経つが
私と彼は一度も会えていない。
理由など聞くことはなかった。
忙しいのだろう…としか思っていなかった。
私が電話をすれば折り返しは必ずくれるし
メールの返信も遅れても必ずくれる。
好きだの愛してるだの…
そんな言葉は並べはしないけれど…。
「会う約束…してみたら?
…会いたいんでしょう?」
「……うん。」
会いたいに決まっている。
私は昼休みに電話をかけることにした。
彼のお昼休憩はバラバラな様で…
電話には出てくれないことも少なくない。
少し緊張しながら
彼の番号を呼び出し、電話をかける。
すると…息つく暇もなく
向こうから声がする。
「はい。」
「あっ…葵です。」
「…ふっ。解っている。」
横では受話器に耳をつけて
聞き耳を立てている舞。