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万華鏡
第2章 視姦
『検死官』シリーズが有名なその本を貪るように読む。
私は検死官である主人公のヒロインに憧れ、
頭のいいヒロインにより残虐な事件が死体が語ることによって、
解決していく様とその恋の行方に夢中になっていた。



ーー 新しいシリーズが入ってるはず!



2年生になってから、読書の楽しさに気がついた私は、このところ、毎日の様に図書室へ通っていた。



壁に張り出されている、今月の新刊貸出開始日。

貼り出される度にすぐにチェックをいれて。

その新刊の貸出し開始日が今日がだったはずで。
私はウキウキと図書室へ向かう。




静かに扉を開ける。

しん‥。とするその静寂な緩やかな時間に支配されているその空間。
勉強している人たちや、調べものをしているひと、私みたいに本を借りに来ているひと。


いつものメンバー3、4人の他に、数名のひとがいる程度。
日々の図書室はそんなものだ。



「あっ!嘘‥。」



新刊コーナーへ向かい目的の本を探す。

このシリーズは案外人気があって。


しかし、既に借りられてしまっているようで、
楽しみにしていたその本はそこには無くて。



―――早く続きがきになるのに。




がっかりした気分で椅子に座る。




(しょうがない。何か違うの借りようか‥。)


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