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悠久の恋の果てに
第6章 果
「気にするなよ」
「手をつなぐならあんみつは食べにはいかれません」
「分かったよ」

ふたりは無言で歩き出した。
坊ちゃんの数歩後をみさをが歩いてついていった。

「みさをはあんみつを食べているときは幸せそうだな」

何もかもこの瞬間以外なくなればいいのに。

そう言った坊ちゃんの顔が悲しそうに微笑んだ。
2人を見ていて沸き起こった何とも言えないさみしい感情を
私はどうすることもできなかった。

一体ここは何処なんだろう?
私が見ているものは何だろう?
今の・・・日本ではないような・・・

そのうち私の見ている場面が大きく歪んだ。
ぐにゃりと歪んだ空間がゆっくりとほどけていき
次に現れたのは
どうやらあの屋敷の中の部屋のようだった。

「みさを!今日会った伊太利亜の商人に面白いことを聞いてきたぞ!」

仕事先から帰ったのか坊ちゃんが興奮してみさをを呼びつけた。

「なんですか?」

二人共少し大人になってる。
さっきの場面から時間が経っているのかな?

「伊太利亜語でミオとは『私の』という意味らしい。通訳が言っていた」
「はぁ・・そうですか」
「みさを。みさをのことをこれから『みを』と呼ぶことにする」
「え!」
「僕のという意味だ。これなら誰にも分からないだろう」
「坊ちゃん」

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