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ピンクの扉
第14章 性の不一致

そんな苦悶に満ちた表情が彼の好物だったようで、
興奮しまくった彼は
容赦なく私の口の中で果てたのです。


満足しきった彼は

やがてベッドで大の字になって
イビキをかき始めました。

私はこの男といれば
何もかも壊されてしまうと感じ、
音を立てずに着衣を済ませ
ラブホテルから抜け出しました。


部屋を出る前には彼のカメラを
バスタブに水没させてやりました。

これが私に出来る精一杯の仕返しだったんです。


ホテルを抜け出すと
街灯一つない暗闇が待ち構えていました。

ホテルから遠ざかろうと、
私は必死に走りました。


ホテルのネオンが届かないところまで走ると
私を待ち受けていたのは真っ暗な闇でした。


外気の冷たさと恐ろしさで
体がブルブルと震えます。

私は震える手でスマホを取り出し、
主人に電話をしたのです。


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