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ピンクの扉
第17章 第三部 序章
「何かご用でしょうか?」
玄関のピンクの扉を開けると会長さんの横に
もうお一人、年の頃は50代とおぼしき男性が立っていました。
「お邪魔してもよろしいかしら?」
会長さんったらこちらがどうぞとも応える前に
ズカズカと上がり込んで
リビングのソファに腰かけました。
もちろん、年配の男性も
彼女の後に続いて上がり込んできました。
「あの…とりあえずコーヒーでも…」
私は慌ててキッチンへ行ってコーヒーカッブに
サーバーからコーヒーを注いでテーブルに置きました。
「早速だけど訪ねてきた用件を言うわね」
一口だけコーヒーで喉を潤し、
私が席に付くや否や会長さんは話し始めました。
「はい、どんなご用件でしょうか?」
どうせろくでもない話に決まってるわと
私は会長さんと目を合わすことができませんでした。
「あなた、専業主婦で暇でしょ?
だからPTA役員をやりなさい。
やりたがらない人が多すぎて
このままじゃPTAが成り立たないのよ」
人にお願い事をすると言うのに
会長さんの口調は命令口調でした。