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ピンクの扉
第20章 豆田先生
思いっきり喘ぎたい…
でも公衆の面前ではご法度です。
私は官能の渦に呑み込まれまいと
堪えるしかありません。
うつ向いて必死に堪えるのですが
時たま体が意思とは関係なしにビクッ!と跳ねてしまいます。
「桃子、どうしたの?気分でも悪いの?」
私の後ろの座席に座っていた会長さんが
身を乗り出して声を掛けてきました。
私たちは慌てて手を引っ込めましたが、
何をしていたのか勘の良い彼女は気づいたようです。
「もう少しで到着だから我慢しなさい」と
いちゃつくのは広い境内の死角でおやりなさいと
聞き取れました。
私はムラムラした気持ちを堪えるのに必死でした。
ほどなくしてバスは目的地の寺院に到着しました。
私は豆田先生と
人目のつかない死角に行きたかったのですが
豆田先生ったら寺院の門を潜り抜けると
目をランランと輝かせて
「ここは見どころたっぷりですからね
早く見て回りましょう!」と
小躍りして私のことなどお構いなしに
早足で歩みを進めました。
「豆田先生!」
私を置いていかないでと呼び止めましたが
早くいらっしゃいとばかりにおいでと手招きして
私が追い付くのを待たずに
さっさと本堂の中へ消えていきました。