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ピンクの扉
第3章 隣のご主人
「わかってますよ奥さん。誰にも言いませんって。・・・ふう~、荷物を運んだら喉が渇いっちゃったなあ。奥さん、お茶を一杯、あ、いやいやビールを一本もらおうかなあ。」
大きなお腹を揺らし、ソファーに踏ん反りかえった。

冷蔵庫から缶ビールを差し出すと
「いやだなあ奥さん、グ・ラ・ス・・・グラスをくださいな。あっ、二つね、奥さんも一杯いきましょうや。」

もう!なによ!
人の弱みにつけこんで!
飲んだらさっさと帰っていただこう。

「かんぱ~い」
陽気な声をあげ、桃子の手にしたグラスにカチンと音を立ててグラスを当てる。

ぷはぁ~、いいねえ。よく冷えてる。
そう言って手の甲で口元をグイっと拭った。

「しかし、なんだねえ。このコンドーム使いきれるかい?」

うっ!そうなのよねえ・・・
痛いところを突いてくるじゃない。

「なんなら私もコンドームの消費に一肌脱ぎましょうか?」

えっ?なんでそうなるわけ?

「まあ、こっちに来なよ。」
隣のご主人は桃子の腕を取ると、自分のほうに引き寄せた。

あん!なんてすごい力なの。

「えへへへ、前から奥さんとこんな事したいなあと思っていたんですよ。」
隣のご主人は桃子の唇に吸い付いてきた。

げえぇぇ!ちょっとやめてよ!
やだ!ヤニ臭い!
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