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ピンクの扉
第3章 隣のご主人
「あれっ?その箱・・・・」
目ざとくダンボール箱に気付いたようだ。

「もう届いたんですね」

えっ?

『コンドーム』
声に出さずに口をパクパクさせてそう言ってニタッと笑った。

え?え?なんで?
なんで知ってるの?

「奥さん、ニャンニャンするときはカーテンを閉めておかないとねえ。」

え?見られていた?
うそ!やだ!!

隣のご主人は庭先から玄関の方に周ってきた。
そして、桃子が抱きかかえている箱を奪い取った。

「一つ一つは軽いもんですけど、さすがにこれだけの量になると結構重いもんですなあ。」
どれ、家の中までお持ちしましょう。
そう言ってピンクの扉を目指して足を運んだ。

いえ、あの、大丈夫です。
一人で運べますから。

桃子は慌てて隣のご主人の後を追いかけた。

いいから、いいから。そう言いながら『ほれ、早く扉を開けなさい』と目で催促した。

勝手知ったるかのようにドンドン奥へ進み、あのセールスマンと交尾したリビングルームへ入ると、テーブルにドンと箱を置いた。

「ほら、カーテンが開いていると、外から丸見えだ。」

ほんとだ。
恥ずかしい!あの・・・先日のことはどうか内緒にしておいてくださいね。

「魚心あらば水心ってね」
そういって隣のご主人はリビングルームのカーテンを閉じ始めた。
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