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ピンクの扉
第7章 第二部 序章
千歳空港を一歩出た途端、
あまりの寒さに「ぶるっ」と体が震えた。
「さすがに北海道ねえ~」
機内で主人を思い、
密かに指遊びして濡れてしまった股間が
急速に冷たくなっていく。
『いやん…冷た~い、風邪引いちゃうわ』
上手い具合に
札幌行きの高速バスが出発するところだったので
桃子は慌てて飛び乗った。
車内は暖房がよく効いていて快適だった。
とりあえず札幌に着いたら
タクシーに乗ればいいかしら…
スマホのアドレスアプリを起動させて
単身赴任初日に送られてきた主人の居住先の住所をしっかりと頭に叩き込んだ。
「ひとり旅ですか?」
スマホを閉じるのを見計らったように
隣に座っていた男が気さくに声をかけてきた。
「いえ…主人が単身赴任でこちらに来てるので、
ひさしぶりに会いにいくところなんです」
「そうでしたか~、
いや、あなたのような素敵な女性を妻にした旦那さんが羨ましいですね」
「まあ、お上手なんだから~」と言いながらも、
素敵な女性と呼ばれて
桃子はまんざらでもなかった。