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英里を調教
第17章 エクストラ・ストーリー3 由美子の処女喪失
 海の見える小さな街の、小さな雑貨屋さん。

 英里のクラスメイトの由美子はそこでアルバイトをしている。
 学校の規則では原則禁止なのだが、学校からはちょっと遠いこの店で働く由美子に、先生は気付かなかった。

 長い茶色い髪。少し派手なメイク。短い制服のスカート。
 付け睫をつけた目は人よりも大きくて可愛いと自分でも思う。
 唇が厚いのが、由美子の悩みだった。

 この唇さえもう少し薄かったら、あたしもなかなかイケてると思うんだけどね。

 コンパクトの中の自分の顔にちょっと溜め息。

 ホントは目だって、そんなに大きいわけじゃなくて、メイクでそう見せているだけ。

 長い付き合いの英里は、高校に入ってから派手になった自分に驚いていた。
 高校生になってすぐ、大学生の彼氏が出来た。
 バイトをしている彼氏は、由美子に服を買ってくれたり、メイク道具を買ってくれたりした。
 さすがに彼氏にばかりお金を使わせるのは申し訳ないと、由美子もアルバイトをはじめたのが、高一の夏。
 まさか、二年も働くことになるなんて。

 由美子も大学進学を考えている。
 別にこれと言った目標があるわけでもなく、就職を先延ばしにしたくて、もっと学生生活を続けたくて進学を選んだ。

 どうせなら彼氏と同じ大学に行きたい。

 そう思って調べてみたら、自分の成績では少し難しそうだと知って、慌てて勉強をはじめた。
 元々は普通に、目立ちもしない中学生だった由美子は、それなりに勉強が出来た。

 今からでも遅くないかも。

 そう思って、バイトを辞め、勉強に集中することにした。

 親にそう告げると、親も喜んでくれ、ほんの少しだけお小遣いの金額アップに成功した。
 ただ見た目が派手になっただけで、別に不良でもなんでもない由美子だけど、親が心配してくれてたんだなーと、ちょっと申し訳ない気持ちになったりもした。

 そんなわけで、夏休みの今日も補習授業。
 まあ、仕方ない。今はガマンだ。
 大学生になったらたくさん遊んでやる。

 補習授業も終って、午後からはバイト。

 今日で最後。気合入れますか。

 お店の前でひとつ伸びをして、ドアに手をかける。

 
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