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回想ディスコ
第1章 思い出の扉をあけて
その隣に座っているショートボブの女はいきなり大きな笑い声をあげた。
友達でもないのに
ピンクの口紅女に覆いかぶさるようにして体全体で笑っている。

「常連ってことは、ここに来た回数だって何十回、いや百回超えてるかも。
 それだけ来てりゃなんかしら仕出かしてるでしょ。
 若い男と女が体を摺り寄せるようにして踊ってるんだよ・・ねぇ?
 キミだって、どう?」

3人目の男は、一番服装のセンスがいい。
スーツではなくチェックのジャケットとチャコールグレーのパンツの組み合わせ。
おしゃれ上級者だ。
そんな男だが、私に向けたその顔はセンスとは正反対のオヤジ顔だ。

反射的に顔をしかめながらも、男に言われたまま
自分の中でも記憶を呼び起こす。


たしかに・・

私もやらかした。
音楽にのせて体を揺らした後、ベッドの上でも体を揺らした。
それも、見ず知らずの、出会ったばかりの男と・・

「じゃあ、ヒロミさんは最後に懺悔ね。
 まだしてないのは・・私と、えっとマサヒロさんだけね。
 じゃあまずレディーファーストで私から。
 ん・・あーあー・・では!」

マイクがあるわけじゃないのにボイスチェックしてから
裕子さんは背筋を伸ばした。
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