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第2章 「裕子の場合」

私ねぇ、これでもモテたのよぉ。
ストレートのロングヘアに前髪カールでさ、
あの頃流行ってたトレンディドラマに出ていたあの女優をまねてさ。
ボディコンのワンピにピンヒール。

今思うと、よくあんなヒールで地下鉄のホームまで猛ダッシュしたわよねぇ。
もうムリ！絶対できない！
ペタンコ靴でもダッシュしたらすぐ息切れよ。
歳はとりたくないわね。

あら、ちょっと脱線しちゃったわね・・

ワンダーランドに出没するのは金曜だけじゃなかったの。
ウィークデーにも結構来てたわね。
平日はさすがに空いてるから、男を物色するのは楽だったわ。

男達もね、私が目立ってたからか、次々声をかけてきたわ。
一緒に踊りませんかって。
きまってるじゃない！
もちろん・・チークよ、チークダンス！