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回想ディスコ
第2章 「裕子の場合」
うふん、と笑いながら彼にしがみつく。
「ええ、いいわよ。じゃあ行きましょうか」
見つめ合い、微笑みあい、手をつないでドアを半分開けたところで
いくつかの走り去る足音が聞えた。
一瞬動きを止め、男が顔をのぞかせ廊下を見ると・・
何人かの男女がこちらを見ていたそうだ。
だが男が顔を出すとみないっせいに立ち去っていった。
男が素早く外に出る。
その男を壁にして、私もトイレからそっと出る。
ドアを閉め、彼に続いて廊下を戻る。
大音響を浴びる場所まで来ると、男も私も堂々と体を伸ばし、
クロークにむかって歩き出した。