この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
回想ディスコ
第3章 「正弘の場合」
その翌週、3度目の対決。
どうなったと思う?
うん、決着、ついたんだよ。
その夜はさ、残業だったからいつもの時間より2時間くらい遅くに行ったんだ。
もう11時近かったかな。
そんな時間だから、あの女はもういないかなって、諦めてたんだけど・・いたんだよ。
それもさ、オレの姿見つけたとたんに、かわいい顔で唇噛みしめちゃってさ。
待ってたんだよな、きっと。
いないいない・・って思ってたらオレが現れた。
それまでつっぱってた心がハリを失って形を崩したって、そんな目だったな。
なんだかその顔見てたらいじらしくってかわいくって。
しょうがない、オレから折れてやるかって、さ。
「遅い時間だからもういないかと思ったよ」
「あら、気になってたんだ、私のこと」
相変わらず強気だねぇ。
でも折れるって決心ついたんだから、ここはケンカ売らないように
必死で自分を抑えたよ。
「まぁね。あ、ねぇ、まだいるでしょ?」
「え?ええ、まああなたがいてほしいならいるけど、でもどうして?」
「ちょっとさ、忘れ物したから取りに帰るけど、すぐ戻るから。
だから待っててよ」