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誘惑のサンタクロース
第2章 ☆☆
するとお兄さんは
「今日は黒ちゃんに魔法をかけてあげる。
黒ちゃんの心が軽くなるような魔法」
なんて現実離れしたことを言ってきた。
お兄さんは魔法使いだから
そんなに顔が綺麗なのだろうか?
だからわたしにも
こんなに優しいのだろうか?
お兄さんはスマホで時間を確認すると
「空を見上げて、もう少し上かな」
そんなことを指示してきた。
空にはたくさんの星が輝いていて
これなら魔法もかけられちゃうんじゃないかって、
お兄さんならできちゃうんじゃないかって、
信じてしまいそうな自分がいた。