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want to be ...
第9章 さよなら






涙で潤む、優しい笑顔で言った雫の言葉に、あたしの意思も固くなっていく。


「もう…何もかも終わりっ!どうにでもなれ!
ね、あいつの愚痴、全部ぶちまけていい?」


「ははっ、どーんと来なさいっ」


そして、静かに泣きながら、先生の愚痴を愛しそうに話す雫の言葉を聞いていた。


雫があまりにも優しい口調で話すもんだからあたしまで泣いちゃって、それがふと落ち着いた時。


今までバックミュージックだった、隣の部屋からの甘ったるい声が際立って聞こえて。


来た時から心の隅で何となく気になっていた隣の座敷に意識が移った。


「…まただね」


「…うん」


意識が移ったのは雫もだったようで。


あたし達が来る前から、隣の座敷には男の人が2人いて、きっとものすごくかっこいい人達なんだろう。


芸能人ではなく、一般人みたい。


さっきから、その2人に話しかける女の子達の声が多くて凄すぎる。


「どんなイケメンなんだろうね?」


「ねー。相当なんだろうね…」


「…2人共全く反応してないけど」


「…うん」


そう。


話してるのは女の子達だけ…いるはずの男の人2人は、いっさい声を発していないんだ。


本当にその席にいるのかと思ってしまうほど。


でも、さっき女の子から


「隣座ってもいいですかぁ?」


って聞かれてた時、ガンッ!って何かを叩きつけるような音がしたから、一応席にはいて、拒絶…というか無視?してるのかな。


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