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want to be ...
第9章 さよなら
「…ま、他の男なんて知らない知らない」
「だねぇ」
すぐに興味が薄れたあたし達。
「それでねー?」
雫が話を再開し、あたしも耳を傾けた…時だった。
「なぁ…さっきから目障り。耳障り。
ぎゃあぎゃあうっせぇんだよ…ウザいから消えろ」
その声は、決して大きな声ではなかった。
けど、頭の奥に響いて残るような低音ボイスに、店内は一瞬シンと静まり返った。
…この声、どこかで聞いたことあるような…
そしてもう1人の男の人の、なんて言ったか聞こえなかったけど小さめの声がして…
「…ご、ごめんなさいっ」
女の子達は謝って散らばって行った。
「…え、何今の。すごいね、鶴の一声じゃん」
「隣の人でしょ?声すごくイケメンじゃなかった!?
ヤバいね顔見てみよっかな」
「えぇ、今の言葉直接言われそうじゃない?」
「…うん。それはキツいな」
苦笑いした雫がワインを煽り、話を戻した。
「それでねー?」
酒が入ると出るわ、出るわ。
ご丁寧にセックスの仕方まで話してくれる雫。
まだアルコール摂取してないあたしは、その時は苦笑いで聞いてた…けど。