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want to be ...
第9章 さよなら
雫の一言に、酔いが一瞬で吹っ飛んだ。
「は?え、はぁ!?ファンクラブぅ?」
「ちょっとぉ、何で知らないの~。
毎日のように告白されてるでしょ?」
「…う、うん…。けどファンクラブなんて…」
「あんたミスコンで1位とったじゃん?」
「え?…あ、あぁ…あれはまぐれだよ。
てか、本当はブスコンだったってオチでしょ?」
「…、本当自分のことには鈍いよねぇあんた」
ふ、と妖艶な笑みを浮かべる雫。
雫は酔ってタカが外れると…まぁ、こうなる。
お酒飲みながら自分の人生を語るどこかのスナックのオバサンみたいに。
「いい加減ちゃんと自覚しなよ…
自分がどんな魅力を持ってるのか」
「…えぇ」
知らないよそんなの…
「自分のことなんて別にどうでもいいし…
四天王だかなんだか知らないけど
そんなのだってどうでもいい。
あたしは蒼汰さんが好きなの。
蒼汰さんの全部が好きなのー…。
肩書きなんていらないの。
蒼汰さんがホームレスだろうが
犯罪者だろうがホモだろうが知らない。
蒼汰さんだから一緒にいたい。抱かれたい…」
「…あたしもだよ。
先生だろうが二股してようが大好きだし、
本当は優しいくせに冷たくするところも…
嫌なところも全部好きなの。
全部ひっくるめて、全部好きなの。
あの人の目にあたしが映ってるだけで嬉しいの。
心では誰を想っていようと」