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want to be ...
第9章 さよなら
「すみませーん!ウォッカ!ストレートで!」
「ちょおお!杏奈っ!?」
店員を呼び、強いお酒を頼んだ。
「ちょ待って杏奈!ストレートって…
あんたお酒強いわけじゃないでしょ!?
せめて割りなさいよ!
すみません、あたしもウォッカ!水割りで!
あ、この子のも水割りにしてくださいっ」
「はーい、ウォッカ水割りお2つですね〜」
「あぁあ、何で割るのぉお」
「黙らっしゃい!ウォッカなんてそんな強いお酒、
飲み始めて数年しか経ってないあたし達が
手ぇ出すなんて100年早いのよ!」
「雫も頼んだじゃんか~!」
「あたしも飲んでみたかったのー!」
きゃんきゃん言い合って、運ばれてきたウォッカを見て再び騒いでから、ちびちびと口に運び始めた。
「…で?どうしたの。こんな強いの借りなきゃ
言えないようなことなんでしょ?
聞いてあげるから、言ってみな~」
ひらひらと手を振る雫に笑い、崩した体勢を整える。
雫の目を、まっすぐ見つめて…
「…うん。あたしね、蒼汰さんとさよならする。
さよならすることにした」
前から考えてた、
出来るだけ考えないようにしてた考え。
「え…?」
「もう、連絡来ないと思ってるんだ。
何年も…5年、か。5年もあたしを抱いてたら
他の女の子にも手出してみたくなったんじゃないかな?
それか、他に好きな女の子がいてそっち行ってるとか。
だから連絡も来ないんだろうし」