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第9章 さよなら

美咲さんの代わりとして、｢美咲｣って呼びながらあたしを抱いてたのに、｢杏奈｣って呼びながら抱かれるようになって…


嬉しすぎて、嬉し涙を流したこと。


それでも、嫉妬してる蒼汰さんのセックスは身体も心も痛いこと。


些細なことでケンカになって、カッとなった蒼汰さんに愛撫なしで入れられて激しく突かれて、痛くて泣き叫んじゃったこと。


それでも翌朝真剣に謝ってくれて、嫌いになれなくてもどかしかったこと。


大好物のチーズケーキを、あたしには2個買ってきてくれて一緒に食べたこと。


蒼汰さんは無類のチョコレート好きだから、バレンタインに徹夜して作ったトリュフやガトーショコラ、ブラウニー、マカロン、チョコチップクッキー、カップケーキ…


チョコレート系のお菓子をたくさん作って、あげたらものすごく喜んでくれて、その日のセックスがとても優しかったこと。


抱かれてる途中、｢好きだ｣と言われたこと。


｢愛してる｣とも言われたこと。


抱かれた次の日の朝、うとうとしてるところに｢可愛い｣って言われて、にやける口元を必死に我慢したこと。


本当はすごく優しい人だということ。


料理は壊滅的なのになぜかチャーハンだけは絶品で、絶対おかわりしちゃうこと。


あたしが熱を出して寝込んだ時、つきっきりで看病してくれて、慣れない手つきでお粥作ってくれたりゼリーやフルーツを買ってきて食べさせてくれたり、ずっと手を握って傍にいてくれたこと。


｢風邪、俺が貰ってやろうか｣


そう言ってキスされてそのままセックスしちゃって、次の日蒼汰さんが風邪ひいちゃって、治ったあたしが看病して、とても楽しかったこと。