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第9章 さよなら

｢あー！言ってたね！いいなぁ…
あたしもお目にかかりたい！抱かれてみたーい…｣


｢結婚式なんてね？もうヤバすぎて…！
無表情しか見たことなかったのに大樹さん、すごいの！
ずーっとにこにこにこにこしてて…最高すぎて！｣


｢いいなぁ、あたしも行きたかった～！
一度でいいから大樹さんに抱かれてみたいよー…｣


｢でもね、面白いんだよね。大樹さん、
極度の女嫌いで、美咲さん以外の女の子、
…全員？視界に入らないんだって｣


｢何それすごく面白い。その人も完璧主義者？｣


｢…、そんな訳じゃないと思うけどな…｣


｢んー…美咲さんしか目に入らないってことかな。
じゃあ、矢野さんが完璧主義者になるのは
無理ないかもしれないね。そんな美形で完璧な人達と
一緒にいたら理想も高くなるかぁ…
…やっぱり童貞だったんじゃない？実は｣


｢ううん、それがねー？
蒼汰さんさ、あたしがセフレになる前まで、…｣


続きを言いかけた、時だった。


ガシャーンッ！


向こうで何かが割れる大きな音がした。


｢っ！？｣


あまりに大きいその音に驚いて身体をビクつかせると、男の人の怒鳴り声が響いた。


聞いてると、どうやら、一緒にいる女性…多分奥さんが、他の男と不倫してたらしい。


それで言い争いになってるみたい。


｢修羅場だねぇ｣


｢うん…｣


話を聞いてると…何だかとても面白い。