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want to be ...
第9章 さよなら
ダメだ…笑っちゃ失礼なのに、笑っちゃう…
隣の席のイケメン(?)のうちの1人なんて、雫と同じくらい笑ってるし…
そして再び、女の人の声がした。
「…聞いた?皆さんの笑い声。
あと…あたし、祥(しょう)様にプロポーズされたの。
…当然、分かるわよね?
神宮寺(じんぐうじ)の跡取りのお方」
「…!!」
「バツ1でも構わないって言ってくださったし
もうお腹に祥様の子供もいるの。
だから早く離婚届にサインしてくださる?
早くあんたと他人になりたくて堪らないわ」
「…っ、勝手な真似を!?
俺の家内が黙ってないに決まってるだろう!?
俺は大企業の亀田(かめだ)の跡取り息子だぞ!
お前みたいな貧乏な小娘が
好き勝手にそんなこと出来るわけないだろう!」
「…貧乏な小娘、ねぇ…。あんた、
本当にあたしのこと何も知らないで結婚したのね…」
「…、は…?」
「ねぇ。あんたのことは誰も迎えないのに、
どうしてあたしがあんたの家に帰ったら
メイドや執事の方が大勢迎えてくれるんだと思う?」
「それはっ…俺の嫁だから、
下手な真似したらやめさせられ…」
「バカね。救いようのないバカね。
俺の嫁だから、を訂正しなさい。
あと顔近付けないで、あなたの口臭くっさいのよ。
ちゃんと歯磨いたらどう?
あたしが、鈴宮(すずみや)の令嬢だからよ」
「鈴宮…、って、…っ!?」
「やっと分かったの?
やっぱり低脳ね…どこの学院出てきたのかしら」