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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
先生の車、雫の家の方向と逆方向走ってったけどラブホテルでも行くのかな…
あ…あたしは住所知らないけど、もしかして先生の部屋?
…頑張れ、雫。
心の中で雫にエールを送った後、運転中のお兄ちゃんの車の中で寝ちゃったらしいあたし。
お姫様抱っこしてくれたのか引きずられたのか何とか起きて歩いたのか知らないけど、目が醒めたらあたしの部屋の天井が映って。
ズキン!と痛んだ頭で覚醒し、ベッドからゆっくり身体を起こした。
…頭、いったー…
ということで、すっかり二日酔いになっちゃったあたしは、タイミングよく休暇をとっていたお兄ちゃんに看病して貰ってるところ。
なぜかかなりご機嫌麗しいらしいお兄ちゃんは、鼻歌を歌いながらあたしの部屋を出て行った。
何であんなご機嫌なんだろ…
…あ。
そういえば雫…
何か連絡来てないかな、と思いつつ机の上のスマホに手を伸ばし確認するけど、登録してる通販からのメールと、相変わらず送られてくる暁くんからの連絡のみ。
もちろん、蒼汰さんからの連絡も…ない。
「…はぁ」
何だかなぁ…
バサッと枕に突っ伏し、目を閉じる。
「蒼汰さーん…」
会いたい…抱かれたいです…
でも、もうダメなんでしょうか…