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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
もちろん自分の反省もした。
そもそも最初はあたしが全部悪いと思ってた。
毎日蒼汰さんのためのご飯作って一緒に食べて、凄い笑顔で「おいしい」って言ってくれてたけど、無理して言ってくれてたのかな。
「お母さん代わり」をしてたつもりはないけど、うざかったのかな。
知らず知らずに、自分でも気付かないうちに蒼汰さんが嫌だって感じることをしてしまったのかな。
もっといい声で喘げばよかったのかな。
自然体でいたのがダメだったのかな…
もっともっと、蒼汰さんに釣り合う女になるように努力するべきだったのかな。
あたしに飽きてしまって、違う女の人を抱きたくなったのかな。
彼女に接するような、美咲さんに接するような…
優しい表情で見てくれるようになったのに、あれは全部演技だったの?
考えれば考えるほど分からなくなってきて、雫に初めて相談した時。
「それは、相手のせいにしていいんだよ。
杏奈だけが…てか杏奈が責任感じる必要全くない。
だっておかしいよ、おかしいもん、
好き合ってるのに距離置くなんて。放置するなんて。
もー、どこのどいつよ?
こんな可愛い杏奈を放置する不届きものはぁあ!」
雫は真剣にあたし達のことを考えてくれてて。
後日、相手が蒼汰さんだってことを言ったらものすごく驚かれたけど。