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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
「えぇぇえー!?矢野先輩だったのぉおー!?」
って。キャンパス内の食堂で。
その後雫、
「ふーん、そんな人だったんだ。
イケメン四天王で一番まともな人だと思ってたのに、
まさかの一番最悪なパターンか。そっかー…。
何だかんだ一番最悪なの中村先輩かと思ってたのに。
こりゃ矢野先輩4位にランクダウンだな、…」
何だかぶつぶつ言ってた。
「おーい…杏奈ぁ?起きてるか~」
呑気な声がして部屋にお兄ちゃんが入ってきて、返事の代わりにゆっくり顔を向けた。
「…はは。だるそうだな。そんな杏奈にほら!
見ろよ杏奈!俺初めてりんご剥いた!
巧くね?俺超巧くね?センスあるよなー!」
そう言って目の前にずいっと出された皿には…ガッタガタに剥かれた、芯や皮が残ってる不格好なりんご。
でも、確かに…
「…初めてにしては上手なんじゃない」
「だろー!?そうだろー!?
杏奈のために頑張ったぞ俺!お兄ちゃん優しいな~」
ウザい…
何でか知らないけど今日のお兄ちゃん、機嫌よすぎてウザいし気持ち悪い…
だから、聞いてみた。
「…ねぇ、何でそんな機嫌いいの」
「よくぞ聞いてくれました。ほらほら、見て」
嬉しそうに笑いながら目の前に突き出されたスマホの画面には。