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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰






「ダメ」


「行きたい!」


「ダメ」


「行きたいー!」


「ガキか、ダメだってば!」


「ビール買いてぇのー!」


「あたし買ってくるから!お兄ちゃんいたら
女の人達に話しかけられて嫌なの!」


「シカトすりゃいーじゃん!」


「めんどくさい!ここにいて!」


きゃんきゃん言い合ってると。


「…ママぁ…?」


扉が少し開いて、悠翔が顔を出した。


「あー、悠翔起きちゃったじゃん」


「…あーらら、起きちゃったか悠翔…」


「パパぁ、ママはー…?」


「…え」


「ゆうくん、ママにあいたい」


「…んー、そうか…」


「ママぁー…、うぇえ~…」


ぐずりだした悠翔に近付き、優しく抱き上げる。


「悠翔~、泣かないの!
今日、ハンバーグ作ってあげるからね。
悠翔ハンバーグ大好きでしょ?」


「…、ハンバーグ…?」


「うん。悠翔、ハンバーグ上手に食べれたら
パパ、ママのところに連れてってくれるかもよ?」


「ほんと…?」


お兄ちゃんを振り返る悠翔。


目配せすると、お兄ちゃんはにっこり笑った。


「そうだな。悠翔、いただきますもごちそうさまも
上手に言えるようになったからな。
今からパパとあんずで買い物行って、
あんずの手伝い上手に出来たらママのところ帰ろうな」


「うん!ゆうくん、あんずのおてつだいする!」


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