この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
「ダメ」
「行きたい!」
「ダメ」
「行きたいー!」
「ガキか、ダメだってば!」
「ビール買いてぇのー!」
「あたし買ってくるから!お兄ちゃんいたら
女の人達に話しかけられて嫌なの!」
「シカトすりゃいーじゃん!」
「めんどくさい!ここにいて!」
きゃんきゃん言い合ってると。
「…ママぁ…?」
扉が少し開いて、悠翔が顔を出した。
「あー、悠翔起きちゃったじゃん」
「…あーらら、起きちゃったか悠翔…」
「パパぁ、ママはー…?」
「…え」
「ゆうくん、ママにあいたい」
「…んー、そうか…」
「ママぁー…、うぇえ~…」
ぐずりだした悠翔に近付き、優しく抱き上げる。
「悠翔~、泣かないの!
今日、ハンバーグ作ってあげるからね。
悠翔ハンバーグ大好きでしょ?」
「…、ハンバーグ…?」
「うん。悠翔、ハンバーグ上手に食べれたら
パパ、ママのところに連れてってくれるかもよ?」
「ほんと…?」
お兄ちゃんを振り返る悠翔。
目配せすると、お兄ちゃんはにっこり笑った。
「そうだな。悠翔、いただきますもごちそうさまも
上手に言えるようになったからな。
今からパパとあんずで買い物行って、
あんずの手伝い上手に出来たらママのところ帰ろうな」
「うん!ゆうくん、あんずのおてつだいする!」