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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
「…、」
ガンッ。
「…ぁっ、」
あっじゃないし。
「悠翔呼んでる」
お兄ちゃんが座ってる椅子を後ろ足で蹴ると、言ったと同時にキッチンに入ってきた悠翔。
「パパー、なにかきた!」
「…んん、ナンパした…?」
「きてー!」
「来て…?…えー、めんどい、眠い。杏奈出て…」
「じゃあこの食器全部洗って洗濯物取り込んで
干して畳んで仕舞ってお風呂掃除してね?」
「…嫌」
「じゃあ出て。セールスだったら追っ払ってね」
「ちっ…」
舌打ちしつつ、悠翔を抱き上げてキッチンを出て行ったお兄ちゃん。
誰かな…通販で頼んだ服来たのかな。
ハンコ必要だったかな?
違うな…一昨日頼んだばっかだし、悠翔の反応からして優奈ちゃんじゃないみたいだし、まず声聞こえなかったよね。
「こんにちは」とか「こんばんは」とか。
…ま、お兄ちゃんがどうにかしてくれるか。
なんて…思ってると。
「おいっ杏奈ー!」
…あ?
出出て行った時とは逆の、ものすごくテンション高いお兄ちゃんの声が聞こえた。
とりあえず無視してお皿洗いを続けてると。
「杏奈杏奈!ちょっと来いよっ」
「ちょっ…何!」
お皿を持ったままのあたしの腕を引き、連れて行こうとするお兄ちゃん。
「待って!誰だったの?」