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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
「知らん!とりあえず、早く早くっ」
「ちょ…何でそんな急かすの。意味分かんないっ」
手に持ってた、まだ洗剤の泡がついてるお皿を置き手を洗って、玄関まで走る。
…と。
玄関にいる人物を見て、目を見開いた。
「えぇっ…蒼汰さん!?」
相変わらずセンスのいい服に身を包んだ蒼汰さん。
何で何で!?
え、待って…これは、夢?
「杏奈…誰だよ、その男」
後ろからお兄ちゃんの低い声がする。
「えっ…ぁ、えと…」
…ま、待って。
何て説明したらいいの?蒼汰さんのこと。
彼氏だって説明したらきっと解消されちゃうだろうしセフレなんてい、言えないし…
でも好きとは言われた。
けど…
…とりあえず確認しなきゃ!
「そ、蒼汰さん…えっ?あの、もしかして…」
美咲さんに告白したんですか?
そう聞こうとしたあたしの言葉を遮った蒼汰さん。
「杏奈…男いるなら言えよ。俺バカみてぇじゃん…」
「は?…え?」
何て?
「知らんかったわ…俺、騙されてたのか。
家庭持ってる相手に勝ち目ねぇじゃん俺なんて。
花まで持って…超情けねぇ」
「え?…と、何言って…」
…るか全然分かんないんだけど。
花?家庭?
「そうだよ。うちの杏奈に何してくれてんの」
「は?何言ってんの?」
わけ分かんないこと言ってるお兄ちゃんを睨む。