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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
「パパ、このおにいちゃんなに?」
「何って…人間だよ悠翔」
は!?何この人!
おかしいでしょその説明!
そう思って振り返ると、また盛大に吹き出して爆笑し始めるお兄ちゃん。
「あはははは…もうダメ、笑い死ぬ…っ」
「ははっ、じゃあ死にすぎだねお兄ちゃん。
不死身じゃん気持ち悪い」
「杏奈…酷い」
お兄ちゃんの謎なポイントの笑い上戸には、小さい頃から悩まされてるからね。
「にんげんーっ」
…はは。
悠翔、蒼汰さんのこと「人間」って名前の人だと思っちゃってるし。
お兄ちゃんを睨みつつ、悠翔に引っ付かれてる蒼汰さんを見ると。
…きゅん。
え…何て優しい表情浮かべてるの。
優しく微笑みながら、悠翔の頭を撫でてる蒼汰さん…イケメンすぎる。
「あ、なぁ君名前何てーの?」
お兄ちゃんに聞かれ、顔を上げる蒼汰さん。
「…あー、矢野蒼汰です」
「蒼汰か!」
嬉しそうにそう言った後、なぜか再び笑い出すお兄ちゃん。
「ふっ…くく、杏奈の兄の秋人です。
杏奈がいつもお世話に、…っぶははは」
「ちょ…お兄ちゃん」
再びお腹を抱えて笑い出すお兄ちゃん。
いい加減キレるよこのバカ兄貴…