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want to be ...
第10章 杏奈と蒼汰
「悠翔…パパと一緒にママにごめんなさいしよう。な?」
「ゆうくんなにもしてないよー?」
「…そっかぁそうだなぁ」
「さいてー、お兄ちゃん。悠翔巻き込むなんて」
「だって~」
「だいたいねぇ、お兄ちゃんいつも
優奈ちゃんのこと苛めすぎなの!
いい加減愛想尽かされるよこのままじゃ」
「ふっ…大丈ー夫。
優奈の身体は俺にしか機能しねぇからな。
今も泣きながら俺の帰り待ってるだろうなぁ」
…聞き飽きたわ!
「あっそ!帰れ!」
「あっ、なぁ蒼汰、連絡先教えて。今度飲みに行こうぜ」
「…え」
話変えやがったこの男。
…って。
「は?馴れ馴れしいなお兄ちゃん」
「いいじゃん杏奈の男だろ?
いろいろ聞きてぇし…いろいろ教えてぇもん」
無駄に妖艶に笑いチラッとあたしを見るお兄ちゃん。
何このバカ兄貴!
「…いいっすよ」
蒼汰さんも承諾しないで!
「マジ?よっしゃ」
…あーあ。
スマホを突き合わせて連絡先を交換してるお兄ちゃんと蒼汰さんを半目で見つめる。
「っしゃ、完了。じゃあ帰るわ、ごゆっくり~」
言いつつ部屋に行き、すぐに来た時と同じの大きな荷物を持って悠翔に上着を着せ、呑気に手を振るお兄ちゃんを追い掛ける。