この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
want to be ...
第11章 甘い夜
あたしがそれを知らなかったのは少し寂しいけど、蒼汰さんの「初めて」になりたい…
「切ってください」
「うん、とりあえず今は考えられないよな。
…えっ?」
「切って貰いたいです、短いのがお好みなら。
…初めてに、なりたい…。
蒼汰さんの「初めて」になりたいです…」
そう言うと、蒼汰さんが息を飲む。
「あの時位まで、ばっさり切ってください」
「え…いや、気持ちは嬉しいけど…
無理してくれなくても大丈夫だからな?
マジで補償出来ねぇし…
いや、失敗しても俺は杏奈大好きだけど。
あの時位までって相当な短さだろ?
勿体ないだろ…せっかくここまで伸ばしたのに」
そう言って優しく髪を撫でてくれる。
ここまで伸ばしたのは蒼汰さんの為だもん。
そんな蒼汰さんが、短い方がいいって言うなら…
「いえ、切ってほしいです。
蒼汰さんに、切ってほしい…」
お風呂に一緒に入ってる恥ずかしさなんてとっくに消え去ってた。
体を起こして蒼汰さんと向かい合わせになり手を握って目をしっかり見て懇願する。
…と、なぜか蒼汰さんは顔を赤くして目を逸らし、小さく頷いた。