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want to be ...
第3章 再会
ちゅっ。
彼の行動に、彼女も…あたしも、目を見開いて固まった。
一瞬…ほんの一瞬だったけど、彼が彼女の唇にキスをした。
悪戯っぽい表情を浮かべてる彼を、唇を押さえ大きな目を見開いて見つめる彼女。
「っ…さいてー!何するのっ」
「これでチャラにしてやるっつってんの。
よし…美咲、これから毎日忘れ物しろ」
「バカ、もう絶対しない!
このこと大樹(たいき)に言うからね~」
「…げ」
唇を拭って彼を睨む彼女。
「や…俺のしたいことしていいつったじゃん美咲」
「…うう」
「ごちそうさま、美咲の唇。
…あ、ついでに身体も食わせて?」
「バカ!ついでって何よ!」
「ふっ…そのまんまの意味」
「もう知らない、蒼汰なんて…」
「冗談冗談」
そっぽを向く彼女を優しい瞳で見つめる彼。
す、と彼の手が彼女の肩に伸びる。
すると、頬を膨らませてそっぽを向いてた彼女が振り返り彼を見上げた。
とっさに手を戻して誤魔化すように微笑んだ彼。
彼女は彼の動きに気づかなかったみたい。
「で…参考書、見せてくれるの?」
「…仕方ねぇな」
「ありがとっ」
「ほんと感謝しろよなぁ…6回目だぞこれで。
いい加減忘れ物する癖直せっつの」