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want to be ...
第17章 俺と杏奈の関係 蒼汰SIDE
3車両目、長椅子とボックス席の境目の長椅子に美咲の右側に誰も座れないように座る…
これが俺達の席。
そいつはどこから乗ってくるのか、いつも美咲の座る席に対面するように置かれてる長椅子の端に座ってる女だった。
俺達が乗ってくると、俯き加減の顔をそっと上げて俺達を交互に見た後、ゆっくり俯く。
…という、気配をいつも感じてた。
何つー髪型だ、これ。
ショートボブっていうんだろうか。
肩につくかつかないか位の位置で切り揃えられ、内側に巻かれてる綺麗な黒髪。
驚く程華奢な体。
そして…髪型に見合う美麗な顔。
初めて一瞬目が合った時の衝撃は凄かった。
すぐに平然を装って目を逸らしたが、余りの美人さに感動してしまった程。
それから、気付かれない程度にチラ見して、その美しさを堪能した。
美咲も存在に気付いてたのか、電車を降りると
「ねぇ蒼汰、あたし達の向かいに座ってる女の子
めちゃくちゃ美人さんだったねー!」
って。
「お前には負けるわ」
って言っといたけど。
…その子がかつて美咲だと思い込み犯した女だと、その時は全く気付かなかった。