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want to be ...
第3章 再会
「バカ!あたしは大樹のだもんっ」
って言われて。
その時の蒼汰さんの辛そうな、何とも言葉で表現しにくい表情は…見ていられなかった。
そして、見てしまったんだ。
美咲さんが寝ちゃって、蒼汰さんの肩にこてんと頭を預けた時のこと。
びく、と蒼汰さんが身体を震わせ、しばらくそのまま真っ赤になった顔だけを動かして窓の外を眺めてたけど、不意に美咲さんが寝てるのを確認して、華奢な手を恋人繋ぎでそっと握った…
そして
「大樹…」
と小さく呟いた美咲さんを辛そうな表情で見つめ、顔を動かしその唇を塞いだのを…
ぐさりと胸に何かが突き刺さった気がした。
いろんな気持ちがぐちゃぐちゃに混ざり、電車を降りるとトイレに駆け込んで泣き崩れてしまった。
美咲さんを好きな蒼汰さんの気持ち。
蒼汰さんを好きな自分の気持ち。
どちらも、叶わない…届かない思い。
蒼汰さんを忘れたくて、告白してくれた男の子と付き合ったけど…セックスの時、どうしても蒼汰さんと比べちゃって。
あたしの弱い部分を的確に見つけ、焦らしながら刺激してきた蒼汰さんの指先や唇。
自分だけの快楽を求め、愛撫もして貰えてないのに、濡れないのはあたしのせい…挙句の果て、無理矢理入れて、痛がるあたしに不感症扱いの彼。
美咲さんだと勘違いされてたけど、気持ちよすぎて何度も意識が吹っ飛んじゃった蒼汰さんのセックスとは全然比べ物にならなくて。