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want to be ...
第19章 俺と杏奈の1か月 蒼汰SIDE
「…大樹」
「何だ」
「大樹ぃー…」
「何だよ気持ち悪い」
目の前にいる、恐ろしく美麗な男。
ふんぞり返ってグラスを口に運ぶ姿は、…ほんとこいつ、何年経っても衰えねぇな。
ようやく居酒屋にたどり着いた俺達は、個室のように仕切られてる部屋の1つに案内された。
まあ普通に通路を通る人からも俺達からも他人の姿は見えてるし見られているが、あまり気にならず落ち着いて飲む事が出来る。
普段は余り人も多くなく静かなんだが、今日はなぜか様々な年代の人達がいて、それぞれの話に花を咲かせている。
「…で、何。俺をここに呼び出した理由…
10文字以内で簡潔に述べろ」
「えぇっ10文字!?…っと、恋愛相談の為」
「やだ無理。つか10文字超えてる」
「そう言わず~!聞いてよ大樹~」
「やだ。帰りたいマジで美咲抱きたい」
「あんまヤりすぎっと嫌われんぞ~。
…あ、はい。スンマセン」
恐ろしい目つきで睨まれ、体を縮み込ませる俺は相変わらず大樹に勝てない。
席に着くや否やすぐハイボールを頼み、ほとんど一気に飲み干した大樹。
グラスを置いたと同時に息を吐き出した大樹は
「マジで美咲可愛すぎる」
と呟いた。