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want to be ...
第19章 俺と杏奈の1か月 蒼汰SIDE
…この人の頭ん中、マジで美咲の事しかないんじゃねぇか。
そこから、延々と美咲との新婚旅行でのノロケを聞かされた俺。
こいつにノロケを話させてほっといたら次の日になるから気を付けねぇと。
美咲の話をする大樹の表情はもう…普段の無愛想な面影は全くない。
男の俺でも惚れそうになる…いや本当に。
「あー美咲抱きたい」
再び呟いた大樹に苦笑い。
「…俺の話も聞いてよ」
「…あ?やだめんどくさい」
酷ぇ!
ほんと酷いこの人!
グラスを口に運ぶ大樹を見て、不意に思った事を口にする。
「大樹ってタバコ似合いそうだよな。吸わねぇの?」
「あ?勝手に決めつけんなバカ。
何であんな体に害しか及ぼさねぇもん薦めんの。
お前が吸えばいいじゃん」
「…はいスンマセン」
「あんなん吸うくらいなら美咲気絶させる程
キスした方がいいわ。比べ物なんねぇわ」
「…ですよね」
「あー気分悪い。悪くなった。
ここ奢ってくれたら話聞いてやらなくもないがな」
「もうどんどん頼んじゃってください、
俺全額払うから!」
そう言ってメニューを差し出すと、またも妖艶な動作で受け取り、目を通す大樹。
やっぱりこの人は…何だかんだ凄く優しい。