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want to be ...
第20章 再会 蒼汰SIDE
唇を噛んで、目の前の扉を睨む。
中にいてくれ…俺を迎えてくれ、頼むから。
この扉の前でこうして躊躇うのは初めてだ。
いつも、ここに来る度…中にいる女の心情も全く考えずに入って、風呂に入ってようが寝てようが関係なく…壊すように抱いてた。
有り得ねえ…な、…とんでもない事してたな。
でも杏奈は文句も言わず、俺が入れないように扉の鍵を閉めるような事もせず、
「大丈夫です」
って俺の頭を撫でながら…俺に応えてくれた。
俺達が最後に会った日…1か月少し前、杏奈を俺に気持ちをぶつけた日、泣いて震えながら俺に吐き捨てた言葉達。
お前は…そこまで俺を見ててくれたんだな。
「あなたの内面知っても好きでいる女なんて、
あたしくらいですから!」
…そうだな、その通りだよ。
お前は、美咲よりも手放すのが惜しい女だ。
もう間違えない。
俺が愛してるのはお前だ、杏奈。
美咲は…愛してた。
杏奈は…愛してる。
頼むから…間に合っていてくれ。
まだ、俺のもののままの杏奈でいてくれ。